『スリー・ビルボード』(原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri, 2017)
やっと封切りになった『スリー・ビルボード』(原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)に見て来ました。
例年通りかアカデミーに乗っかってか、先週封切りのデトロイトなどクオリティの高い映画が封切られてて、どれを見ようかと思っていたらこの記事をみてしまい。。。大好きなウディハレルソンも出てるしで突撃してきました。
主役がファーゴのおばさん(フランシス・マクドーマンド)とウディハレルソン、サムロックウェルで、それぞれ娘を殺された母、警察署長、頭の弱い保守型白人警官の役。 監督はイギリスのマーティン・マクドナー。
スリー・ビルボード=3枚の看板、という題ですが映画が始まると表示される原題ではOutside Ebing, Missouri が後ろについていて 「ミズーリ、エビング外れの3つの看板」 といったタイトルです。 それどこだよ!って感じですが監督の創作でありふれたアメリカの田舎町、ということのようです。(下の記事にかいてありました)
で、予告でもうっすら判る通り娘を殺された母親が警察の無策にブチ切れてロードサイドの巨大な看板に下のような広告を出して騒動に、というお話。 見てるうちに、3人の主役とこの看板の文言が対応しているのかな?と思いました。
“Raped While Dying” = 母親
“And Still No Arrests?” = 知恵の足りない警官
“How Come, Chief Willoughby?” =警察署長
が看板の文言と私の解釈対応です。(謎
こういう暗示や伏線になるセリフが密接にストーリーに絡むようになっていてアクションもCGも大音響もなく隣の劇場の低音が感じられるほど静かなシーンがあっても全く飽きさせません。思い込みかな? いやいや、見事なお話の作りなのです。
ドラマ映画の傑作の条件として、社会問題の有無が有ると思いますがこの映画はその部分をセリフや事件の中にうまく滑りこませていて、治安とイラク派兵、保守的な田舎町の閉鎖性などがじわじわと入ってきます。そして、ストーリーは暗いのに随所にユーモアがあり基本は人間愛だけども、それらを鬱陶しくない程度に、演出抑えめにまとめていてる脚本の素晴らしさ。
それと!脇役でゲーム・オブ・スローンズのティリオン・ラニスター役、ピーター・ディンクレイジが出ています。人生の辛さを誰よりも理解してるけどな、という顔つきで悲しそうに話すいつもながらの怪演が爆発。
主役の3人やこの人は最高のキャスティングでセリフが少なくてもいろいろ伝わる感じです。ラストは好みが分かれると思いますが、全体としてほんと素晴らしい映画で見てよかった!
監督とサム・ロックウェルは2013年の映画セブン・サイコパスで先に仕事をしているらしいので見たくなりました。レンタルあるんかいな?
#スリービルボード #ウディハレルソン #ゲーム・オブ・スローンズ #ピーターディンクレイジ #ファーゴ #ドラマ映画
ラウダーミルク / Loudermilk (TV series: Oct. 2017~)
アマゾンプライムで見れる Audience Networkのアル中コメディー「ラウダーミルク」
断酒会のセンセイで断酒4年の主人公ラウダーミルクと、ルームシェアで同居の同じく断酒中の太ったおっさん、居候のギャル(アル中)とダメな人ばかり出てくる傑作コメディーで、とにかく主人公の口が悪くて笑ってしまいます。(他の人たちも相当ひどい)
基本アル中がテーマなので主人公のラウダーミルク=>やかましい(くなる)牛乳=酒?って感じでかけてるのかな?
Gilmore Girls や How I Met Your Mother (ママと恋に落ちるまで)とかイカした?セリフが売りのドラマは主に女性向きなイメージでしたがこれは中道。おっさんでも安心して見ていられます。ちゅーか、出てくるの過半数がおっさんだし。。。
またアメリカンコメディードラマの定番、セットの部屋で撮るシチュエイションコメディーを拡張したような様式で、変化もあるのでマンネリにならず楽しめました。
Big Bang Theory と同じく、どこかへ出かけてもあまり細かい描写はなく、すぐ帰ってきたりします。お話もビッグバン★セオリーと同じく隣に美人が引っ越して来て、という事で何が起きるかは想像通り。
シーズン2の情報調べたけど見つからず。完結してないところもあるし続きが楽しみ。
#ラウダーミルク #loudermilk #Comedy #海外ドラマ #ビッグバン★セオリー
皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ (2015) LO CHIAMAVANO JEEG ROBOT / THEY CALL ME JEEG ROBOT
なんじゃこりゃ〜〜、っと見たら良い映画だった 「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」
変な邦題つけるなぁ、とおもったらイタリア原題の直訳。。。マジか!?
イタリアのスラム?っぽい治安のわるそうな街でだめ〜な感じの主人公がたまたま汚染物質を浴びて超人に、というストーリー。人物描画が妙にリアルなところやアクションシーンが最近のインド映画みたいでなかなか魅力的な映画でした。
主役もさることながら精神を病んで鋼鉄ジーグDVDの世界に没頭している役の主演女優さんがすごい。女は魔物、とはよく言ったもんで、だめ〜な人が急に美人になったりと主役よりも超人。
ちなみに劇中でも鋼鉄ジーグのDVDがTVやプロジェクターで再生される形で出てくるのですが、鋼鉄ジーグ頼みでは無く個性ある憎めない悪役有り、と楽しくみれるエンターテインメントでした。なんつってもラストがイイ!のでこれなかなかおすすめです。
マンチェスター・バイ・ザ・シー (2016) MANCHESTER BY THE SEA
見逃したままになっていてずっと見たかったマンチェスターバイザシー(カタカナで書くとえらくかっこ悪い)が見れました。
なにか大きな事件が起きるわけでもない(けどすごく辛い話が語られる)けど、淡々と過去の出来事を交互に交えながら、ゆっくりしっとりお話が進むドラマモノなのですが作りが細かく丁寧で素晴らしい映画でした。出てくる人とか映画の役者という感じがしなくて、本当にそういう人が生きているかのよう。
辛いこと、悲しいことを抱えながら日々をただ耐えて生きていく人間の生き様は昔の日本映画を彷彿とさせるものがありました。
(途中で流れるテーマ曲的な名曲、アルビノーニのアダージョ。悲しくなる。。)
こういう儲からなさそうなの、どうして作れるの?と思ったら、マット・デイモンがプロデューサー。稼いだ金で映画文化に貢献してるんだなぁ、なんて思ってしまいました。 この映画、誰も悪い人間はいなくて、むしろ良い人ばかり、でも不幸が起きてしまい・・・どうにもやるせない。なんだけど細かい作り込みやセリフでユーモアが散りばめられていて製作者の意図が友愛、人間愛など愛情であることが伝わってきました。
いやほんとすごい映画です。
映画見ながらマンチェスターって町の名前なのにイギリスっぽくないなぁ、アメリカ英語っぽいしなんだろうなぁ、ボストンとかミネソタとか出てくるけど地理がわからん!って気になっていたのですが詳しい方が書いてくれていました。なるほど納得。こういうのわかると余計楽しくなるので感謝感謝。
Game of Thrones season 7
Aeroflotの機内サービスで見ることができた ゲームオブスローンズ シーズン7
ラニスター家の話はすでにどうでも良い感じになって時代はターガリエン、ドラゴン出てくると話が単純になってどうするんだホイと思ってたら大変なことに。
いや〜、ついに冬の決戦へ煮詰まってきました。ここで見るのやめるのが一番幸せだったりしないのか?そんな予感も。
とか思いつつも帰りの機内でseason7の後半も見るぜぇぇと貧乏根性丸出しで期待していたのにまさかの not available 。。。。えぇぇぇ〜〜〜〜。
The Dark Tower (2017) ダーク・タワーで弾丸装填イドリスエルバー!
日本未公開ですがアエロフロートの機内サービスで見ることができました。
ストーリーとかはファンタジーで深みはないのですが、イドリス・エルバ vs マシューマコノヒーと子役が知り合いのデザイナーくんにそっくり(私的なことですいません)な役者頼み映画で、それでもまあまあ楽しめました。
刑事ジョンルーサーと同じようなキャラというか顔芸で人情でイヤイヤ頑張るタフガイ系。嫌いじゃないです。この人好きなんですけど、CG大作とかいろいろ出ているのにルーサー役を超えるものがなくて残念な感じ。
マシューマコノヒーの悪役は特撮・ファンタジー定番の若い女子手下とか侍らして、しかも辛く当たる一人親方タイプ。このフォーマットっていつ頃誰が作ったんだろう。。。。安っぽくて手下の役者さん可哀想だったけどマコノヒーさんの実力で場を収めているのが素晴らしい。
で、この映画の見どころは塔とか子役とか関係なくて弾丸装填。もう本当にそれだけ。でも子供の時に見たらぐっと来ちゃうかも。(笑
こういうまっとうな方向が出ているのでそっちも楽しみです。驚かせるより笑わ焦るほうがなんぼかむづかしいですからね。楽しみ。
観客総立ち?! ロシアで 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(スター・ウォーズ/さいごのジェダイ、原題:Star Wars: The Last Jedi)
ロシアの劇場で視聴して来ました、スターウォーズ 最後のジェダイ。
(タイトルは英語でいいと思うんだけど…。)
こちらの劇場に行くのも初めてでドキドキ。モスクワのクルスカヤにあるアトリウムという複合モールで鑑賞して来ました。
(ユニクロもある、カジュアルでデートしてる人が多そうなモール)
注文は大型タッチパネルで作品、席、ポップコーンまでご注文&清算。
銀行ATMカードが非接触決済対応デビットでモスクワではこれ使えるところがほとんど。 ピッピ!と選んでピロリーーンとお会計…。始まる前からSFむーどです。
(動画撮ったのですがアプリで貼る方法無いみたい。YouTube にあげないとダメなんかな?)
イカしてるトイレ
可愛いポップコーンの袋。塩辛い〜
入ったら広告やってました。映画の広告も10個くらい見せられてこれで30分近かった…
で本編。
バーン!と出てくるスターウォーズの黄色いのがまずロシア語。。
えーーー!ここローカライズする!?!?
ぶひっー、っと吹いてしまいしましたw
徹底したローカライズで文字も何も全編ロシア語。何言ってるのか、ピラミッド型パースペクティブに書いてある事前シナリオ情報もサッパリ。。。 まあ筋書き簡単だしセリフ少ないしわかるでしょう、で見てたら大体わかりました。解説してくれた相棒もいたし。
しかし!アメリカのダメ映画見過ぎでほかのロシア語だと悪役か?!ってなっちゃう、ダメだダメだ頭切り替えないと頭切り替えないと😭
台詞追わないので逆に演技、表情にすべての集中力使えて良かったのと、ロシア語吹き替えが声とか雰囲気忠実。かつユーモア、冗談もそのまま冗談になるらしく日本より笑う観客が多いのも劇場情緒ありでした。
フォースの覚醒見たときに、これまでのお客さんは勿論だけど今若い人に見てもらいたくて作ってるのかな?という感想でしたが今回のはさらにその度合いが大きいかな?ブレードランナーもそうでしたけど、もしそうなら健全健全。 次世代に続く永遠の物語?
台詞分からず、起きた事実だけ見た観客としては、出来は6点。なぜなら脚本があんまり面白くないから。(789の中継ぎだしね)
あれ〜〜?っと、気になったのは
- 今回も中国マーケ配慮。最後にドッチラケ
- 黒兄貴、ヘルメットいきなり壊してオモチャ屋どうすれば??
- ジェダイ偏屈すぎ
- ジェダイKY、タイミングがいつも最悪。バカなの?
- ヨーダ、初めから出てこい〜、いつもながら遅いよ(笑
- レイア姫最強伝説真空拳
でした。
全体のSFテイストがゆるくアメコミ調な大らかさ。。。
いやしかし、ババー予備司令官、とっととワープしとけや! (笑
なんかあの辺のくだり、戦争してる雰囲気無し、緊張感なくてすごかった〜。
スターウォーズだから色々思っちゃうけどラストシーンが最高だったから全部ありになりました。
日本帰ったらちゃんと見直すぞーー(泣
そして。。。映画が終わったらロシア観客総立ち!!!
かと思ったら一斉に退場。。。早っ(笑
感動巨編でどうなのか確かめたいところです。
了