『15時17分、パリ行き』(原題:The 15:17 to Paris,2018)
なんと、話題作なのに、しかも平日の木曜日に映画の日なのに封切りになったんでイソイソと見に行ってきました。
実際にあったテロの話でしかも犠牲者本人たちが演じるという事で話題になってて気になっておりました。
内容は…素晴らしい!ものすごく感動しました。
クリントイーストウッドだなぁ、と思ったのは主役の母親役のジュディ・グリア。 年をとっても女の可愛さを失わない(=すこし馬鹿っぽい)、そして気丈そうにしても弱さを隠しきれない系、イーストウッドの好みですね!
それとギター、ポロロロロン。
イーストウッド監督の大好きな映画、グラン・トリノを思い出しました。週末見ようかな。
こちらはピアノでポロロンポロロン…。
逆に、今回は違うな〜、と思ったのは主題。
イーストウッドの最近の作品
人間世界の重たい社会問題を大きく扱って問うている印象でしたが今回は、生きることの素晴らしさや人間の勇気・友愛が前面に出ていてそこが本当に良かったです。 世の中ひどいことだらけだけど、勇気を持って立ち向かおう、誰もがヒーローなのだ、というメッセージが明確に伝わってきました。特に中盤のヨーロッパ旅行から最後に集約されてバズーカ砲のごとくハートに命中、やられてしまいました。
今回、列車に乗り合わせた乗客が実際に演じる、そこの部分への興味で見に行ったのですが見ていて全然気にならないというか、普通。有名俳優出ないので先入観なく見れてそれもまた良し。
大好きなイーストウッド監督作品なのであれこれ考えちゃうのですが、とは言えこれまではクリントイーストウッド監督映画ってなーんかいいよね、じわっとくるねーくらいで、これ!ここ!みたいな認識はなかったのですが、今回、明確に彼が撮っているものが見えた気がしたのです。 それは心。 目に見えない心、それも普段人に見せない部分をいかに言葉や台詞でなく、映像と音で伝えるか。そこに集中しているのかな?と。まあ、当たり前のことなのかもしれませんが〜。
映画の中で超効果的に出てくるのが有名な聖フランシスの平和の祈り。キリスト教徒ではないですが、 もう世の中がニュースを見るのが嫌になる程殺伐としていて、今このご時世にこういう映画を作ったのはとても意義深い思いました。
映画で出てきたのは詩の中のこの辺。
憎しみがあるところに愛を、
争いがあるところに赦しを、
分裂があるところに一致を、
疑いのあるところに信仰を、
誤りがあるところに真理を、
絶望があるところに希望を、
闇あるところに光を、
悲しみあるところに喜びを。
いや〜、見て良かったです。
一日一善、くらいはがんばろう、俺。